ガンランスと笛、温泉

12/28

仕事納めの後蒲田に出て、仕事納めじゃないけんたろーをひっぱりだしてかっぽれで飲んだ夜。
旨い酒でほろ酔い加減となった頃、話題は紆余曲折して結局MHP3のネタになり、而今片手にけんたろーが言う。
「今回のモンハン、やたらコラボしてますね」
ユニクロとかガリガリ君とか、鷹の爪もだったかね」
「まあ何かとゼニの臭いがするコンテンツですからなあ!」
「がはは!! あーあと、どこだかの温泉街とも組んでたなあ」
「今回の舞台が温泉地ですからね」
そうか。
温泉かあ。
二人同時に無言でiPhoneとSH-03Cを取り出す。鍋島をあおりつつコラボサイトや周辺情報をぽちぽちと検索。
それは長野奥滋賀のはずれにある渋温泉という。山間の小さな温泉地であり、ゲーム中の拠点となるユクモ村と似ている。
何やら昭和初期からの建物にユクモ村風のデコレーションをしたり、室内には集会浴場(註:多人数でのゲーム時に準備を行うロビーのようなもの)の造作をしつらえてあったり、作中で温泉が噴き出るネコの形をした「ニャン泉岩」まで作って、源泉が流れ落ちる滝に設置してそれっぽく見せたりと、かなりの念の入れようである。
土産物も只のタイアップに終わらず、MHP3と「地元のもの」を上手く組み合わせている例が多く、お仕着せ感があまりない。
1300年前に行基が発見、さらに信玄公に兵の療養地として手厚く保護され、その後も名湯の誉れを保ち続けた由緒正しい土地であるが、この開き直りようはどうだ。

「むう」
「これは」
「いやけっこうガチじゃないか」
「だいぶ気合い入ってますねこれ。集会所カウンターとか町中の造りもそれっぽいし」
「外湯巡り放題だってよ」
「宿代も思ったほど高くないですね」
「行くか」
「行きましょうか」


渋温泉行き、決定。

12/31

晦日であるため当然のように初台で再会する我々。
「宿、どうしましょう」
「うーん候補はあるけど全然絞ってないな(要はやる気がない)」
「じゃちょっと見てみましょうか」
「うん」
で、3〜4軒の手応えを得る。というか「狩ップルプラン」とかなんだよ死ねよ。
久しぶりに初台に昇る初日を見た。あとはやる気のない元旦早朝のTVを横目にジンオウガ狩りなど。

1/3

正月休みも明日まで。忙しくなる前に宿を決めておきたいと思い、先日ピックアップした中から適当に電話してみるも轟沈。けっこう埋まってやがるなあ。
値段の面で少し高くなるが(それでも1万と数百円)、集落のだいたい中心にありそうな宿が次善策として浮上。さて電話電話。
10回ほどコールした後、のんびりとした、いかにも田舎のおばちゃん風の声が出てきた。
「えーと今月の9日なんですが」
「はい、お部屋ございますよー」
「あ、じゃあハンタープランでお願いします」
「あーなんかゲームの」
「そう、そのなんかゲームのです」
ハンタープランにするとイベント参加用のパスとかちょっとしたおみやげとか付いてくるんです。パスは現地で買うより宿泊込みで頼む方が少し安いらしい。
行きの新幹線や長野駅からの私鉄の手配はけんたろーに丸投げ。こちらも安いチケットを押さえてくれたようだ。感謝。

1/9

さて当日。
「格安乗車券なので、指定の便を逃すと乗車券ごと無効ですよ」とさんざん脅されていたため、発車10分前に東京駅の新幹線改札前着。オレを時間通りに動かすにはこれくらいの恐怖が必要ということか。
ほどなくけんたろーとも合流でき、ああそうだビール買わないとねビール。とかいってたらレジの行列がことのほか混雑しており、結局早足で乗り込むハメに。

車内では主にビール飲みながらキークエ消化。けんたろーは小江戸ビール、おれはプレモルで。
このへんでけんたろー先生HR6に。
二時間弱で長野着。小腹が空いたので、事前にモンハン仲間のはっぱさんから教えてもらったおやきを食べる。

食べ応え、量ともに絶妙なるアンチ小腹ウェポンと言えよう。おいしかったです。



長野電鉄の往復乗車券。木製。


乗り場に行く途中にあった公衆トイレ。男子便所でこれは・・・




ラッピング電車。もと小田急ロマンスカーHiSE。別のホームには普通列車用に旧営団日比谷線の3000系もいるという鉄オタ的贅沢ぶり。
乗り込んで発車を待つ間、車掌のアナウンスが入る。
「モンハンブフッ特急ゆけむり号をご利用いただきありがとうございます」笑ったな今笑っただろ。


車窓から眺める風景はいかにも長野だのうという感じの強い、小都市〜田園風景のグラデーション。
千曲川を越え小布施にかかるあたりから目に見えて残雪が多くなってきた。停車中によく見れば軽く降ってきているではないか。
ゆけむり号では軽く寝たり起きたり外を眺めたりで、モンハンはせず。


長野電鉄の終点、湯田中からは渋温泉までバスで移動。時間にして5分ほどだが、上のチケットはこのバス代も含まれている。
駅を出るとすぐにバスターミナルがある。特急列車の時間に合わせているのだろう、渋温泉行きは既にアイドリング中で、すぐに乗り込める状態になっている。
しかしこちらはここ数年、そうそう雪の上など歩いていなかったうえに、一泊にそこまで要るか? というサイズのキャリアー付きトラベルバッグをひっぱっているので、どうにも足元が危うい。
バスに乗り込み、うまいこと座席を確保できた。もうちょっとだなあ少し疲れたかなと考えていると、
「お、」
「?」
「ほらほらあそこにゴスがいますよ」指ささないの。
「ああゴスだね・・・」
視線の先にはフリルとリボンにまみれた黒ゴスがいた。ご丁寧にヘッドドレスまでしつらえている。
ただそのゴシックぶりは見出しゴB、あるいは新ゴBぐらいだ。


バスを降り、まずは宿へ向かおうと思ったが二人そろって「なんとなくあのへん」ぐらいの情報しか頭に入れておらず、めいめい地図アプリなど起動して調べはじめるが、そんなことより今いる温泉街と川を挟んだ対岸にあるイベント会場が気になる。なんかそれっぽいよな。あれでしょうね。宿はまああとでいっか。ええ見に行ってみましょう。


おー、ニャン泉岩だ。ほんとに湯がでてる。がんばってるなあ。
が、振り向けばそこには難民キャンプこの雪の中がんばってうどんとか食べてる人達で賑わっているテントが。ところどころ狩ってる人もいる。そりゃそうか。
宿泊ではなく、日帰りでも結構な人が来ているようだ。テントの中、おみやげ&飲食店のトレーラーハウスに並ぶ人、ぜんぶひっくるめたらこのイベント会場だけで100人を超えるぐらい居た。
「土産物は・・・一旦宿いって荷物置いてからまた買いに来るか」
「てか街の土産物屋にあるみたいだし、そっちでいんじゃないですか」



渋の街は、川沿いの崖下にへばりつくように在る。したがって、それほど急ではないにせよそこらじゅうにアップダウンがある。それがまたユクモ村っぽい雰囲気を実に巧く出しているのだが、それはともかく雪が積もっている。歩きづらい。
宿についてみると、街のほぼ中心に位置していることがはっきり理解できた。ここまで各施設の具体的な位置関係が曖昧なままだったが、これはなかなか便利な場所かもしれない。

向かい側には「油屋」のモデルのひとつといわれる金具屋が。もちろんユクモ村風味。
ここだけでなく渋の街全体が、大正から昭和初期といった趣のある、実に味わい深いたたずまいを帯びている。いいとこかも。
あ、実際に泊まった宿の写真はないです。忘れたっていうか。


受付を済ませ、部屋に通される。外湯の入り方を教わり、夕飯の時間等々についてレクチャーを受け、さて。
「さっそく、狩りにいかれるんですか?(PSPを持つジェスチャーつき)」
中居さん(30代けっこう美人)の決死のアプローチに苦笑で応えるサディストが二人。
「いえ、まずは外湯でも巡ってみようかとw」
「あ、ああ。はは。それでしたら・・・」
渋の外湯は9カ所あるが、そのいずれも、宿が貸し出す鍵を使って入らなくてはいけない。ここの外湯は宿泊客と住民しか使えないそうな。


それと出がけに宿で「ユクモパス」を購入。これはどういうものかというと、外湯巡りをはじめユクモ村もとい渋温泉で行われる各種モンハン関連イベントやリアル集会所なんかの施設に入るためのパス。コラボ関係の土産が割引になったり、ちょっとしたグッズがついてきたりと、まあこまごまとしたサービスもある。ちょっと高いけどこれがないとしょうがないからね。宿代安いしまあいいやと。


宿に浴衣と丹前はあるものの、外はそれじゃあ絶対に風邪をひきそうな気候であったので、到着時の格好のままタオルと鍵と、スタンプラリー用の手ぬぐいを持って出陣。
外湯巡りの際に宿から手ぬぐいを渡され、そこへ外湯ごとに設けられたスタンプを押していって9つ溜まればコンプ、というのが渋では古くからの代表的アトラクションとして有名らしいのだが、今回のコラボ期間中は手ぬぐいの柄もスタンプも、MHP3のそれにアレンジしてある。勿論スタンプの絵柄はゲーム内で使われる例のモンスターアイコン。



手近な外湯から順に攻めていきましょうかてな方針をゆるく設定し、まずは「目洗の湯」という外湯へ。まあ9つのうち6番目ってことらしいけど、スタンプがナルガクルガなのは何故だ。しっぽびたーんと何か関係があるのか。あ、目が光るからか?

鍵を開けて入るとすぐ、荷物入れを含めて四畳半ほどの小さな脱衣所。風呂場はちょっとした宿の内湯ぐらいの大きさ。かなりこぢんまりしている。
先客はおらず、最初に浸かる湯としては申し分のないシチュエーションだが、ちょいとかけ湯をしてみるとこれが異常に熱い。
外湯は正真正銘の、いわゆる源泉掛け流しというやつで、80℃近い源泉がちょろちょろと湯船に流れ込み続けている。一応湯の出てくる樋に栓もできるが、木製で腐食しており完全に止めることは出来ない。つまり、先客が入ってからの時間が経過していればいるほど湯温が上がるというシステムだ。
「いやいやこれは無理だろ」
「埋めろってことじゃないですかねえ」
「い、いいのかやっちゃって」
「さあ・・・」
遠慮がちに水を大量投入し、とりあえず浸かる。なんだかんだで身体が冷えているので、高めの湯温が皮膚にびりびりと浸みる。
肩まで浸かって、呼吸を整え、熱さに緊張した全身を少しずつゆるめていく。攻撃的な湯温がすこしずつ馴染んできてはいる。

「しかし」
「うん」
「これは、熱いですね」
「うん熱いな」
「無理だ」
「うん」


出た。
腰には良かったかもしれない。
せっかくだからもう一カ所いってみようと懲りずに次は5番目の「松の湯」。ベリオロス。
こちらは先客に家族連れがおり、3歳ぐらいの子供二人をわしわし洗っている。外湯で身体洗うなってそこにかいてあんだろおいちょっと。
5分ほどで彼らが出て行ったあとは、さすがに湯も適温である。痛し痒しだ。それともベリオロスだから低温だったのか。
夕飯までの時間を考えると、もう一つ二つは湯を巡ることもできそうだが、なんだか湯あたりした気もする。それよりは少し散歩でもしてみようか、というかあとはスタンプ押すだけで入らなくても良いんじゃねなどと日和見な意見調整が行われた結果、スタンプ押しまくりついでにどっかでビールでも買って帰ることになった。宿の自販機にはスーパードライしかなかったからな。ビールは重要だ。


雪がけっこう舞っている。夜には吹雪いたりするのかもしれないなあ、となにやら感傷的な雰囲気にひたりつつも「くそ、どっちが上だかわからねえ」とスタンプに悪態をつく、忙しい状況ではある。そーいえばさ。なんすか。やっぱりっていうかカップル多いな。多いすね。「狩ップルプラン」でしたっけね。爆発すりゃいいのにな。そうですね。
とかいってるそばから「わーここクルペッコなんだー」とか叫ぶ声が聞こえる。それは俺が今まさに押そうとしているスタンプだ、おまえらなどペッコ先生に呼び出されたイビルジョーにでもついばまれておればよい。こやし玉投げて助けてやるよ! まとめてクソまみれだ、ハハハ!
かと思えば別のカップルが、宿から渡された1本の鍵と男女別に分けられた出入り口をめぐり「二人同時に入るにはどうすれば」といった難問と対峙しており、やや険悪な雰囲気を醸成するなどしている。片方あけて足でおさえときゃいいんじゃないでしょうか。

ビールを無事購入、宿へ帰還。食事の時間を5分ほど過ぎていたが、宿のおばちゃんは意に介することなく「あ、お食事あっちですよ」と案内というか指さして教えてくれただけだけどね。必要以上でないサービスがいいかんじだ。



前出のはっぱさんより「あのあたりはそれほどオイシイ店があるわけじゃないから、車で行くんでなければ宿の食事にしたほうが確実」とのありがたいご指導があったため、まあ「悪くない」程度なら御の字かなと思って挑んだ夕食だがこれがなかなか。コストパフォーマンスを考えたらこれはかなりよかった。刺身のツマまでおいしい。
写真はちょっと食べちゃった後ですが。


品書き。


食事中、別の席の「嫁実家の家族旅行で気まずい夫と舅」的なシチュエーションに大いに興味が沸くもコマッチャーじゃないのであまり深く突っ込まないでおいた。あれはつらいだろうなあ夫。
心身共に満ち足りた状態で部屋に戻ると布団、いや夜具と形容したほうがよろしいかもしれん、とにかくそれが二組。近すぎる。
「これは」
「これは。」
部屋の決して少なくない面積を占める炬燵を移動し、空いたスペースを使って十分な間合いを確保できた。
その後は何事もなかったかのように上位クエをどんどん潰していく。このPCのない状況で、AndroidアプリのMHP3データベースが非常に役立った。
そういえば、今いる宿の隣が集会所(実際にPSPを持ち込んで、知らない人と多人数で遊べたりするスペース)だったよなーと思い出し、Androidwifi検知アプリを起動すると、うわーいるいる。MHP3SSIDを掴みまくる。面白いので同じ番号の集会浴場(こっちはゲーム内のロビー)へ乱入したりしてみた。残念ながら知らない人とギルドカード交換まではできなかったけど、無茶なスキル構成だったりバカな装備してる人がいたりで楽しめた。

少し狩り疲れてきたので、ちょっと散歩でもしようかと話がまとまる。町民会館のようなところに特設APあるみたいだし。


で、軽い気持ちで外へ出る。まずは昼間に見たイベント会場へ。夜も8時を過ぎれば街もひっそりと静まっており、当然会場もスタッフと思しき数人が裸火にあたっているだけだ。そのまま10分ほどぶらぶらしてると吹雪いてきた。寒かった。そしてAPは別にDLクエストとかがあるわけではなかった。部屋に戻ってPSPを出したらキンキンに冷えていた。

「冷えたな」
「冷えましたね」
とりあえずこたつに入ってPSP起動、んでビール。あとこれも。

※出発前にウチで撮った絵です

先週てつおんとこで飲もうと思ったらそういうわけにいかず、ああそういえば結局初台では飲んでないな(2月10日現在)。まだあんのか?
新幹線での食べ残しをぽりぽりつまみ、裏八仙。で、ベリオロス亜種やらジンオウガやら。それらをこたつにあたってやりよるわけだよこのおっさんらは。絶妙に駄目な大人を満喫していると言えよう。


けんたろーのHR6キークエをだいぶこなしているうちに、そろそろ寝たほうがいいんじゃないの的時刻であることに気付いた。寝る前に内湯も入っておこうかなと思い、一人で地下の内湯へ。先客はいない。

熱い。

湯から上がってもう少し狩って、2時頃就寝。

1/10

翌朝の食事は、いわゆるふつうの「旅館の朝食」であった。最近あまり米を食べないので少しつらかったが、まあおいしかったと思う。

またしても向かいの金具屋。特に意味はない。


部屋で小一時間だらだらし、そろそろチェックアウトしましょうかという時刻。荷物を宿に預かってもらい、昼過ぎに戻りますと伝えてスタンプの残りを押し、無事クエストクリア。全てのスタンプを押して街の細工物屋へ持って行くと、クエストクリア時のロゴが入った皮のストラップをくれた。

けっこう気に入ったのでケータイに付けている。

土産物屋をいくつか回って適当に買いもの。ゲタと湯飲み、あとアシラのはちみつりんごが売り切れだったのは痛かった。ゲタなんか数日で売り切れてたらしい。
じゃー集会所(リアルのほう)でも冷やかしてみましょうか、って宿の隣とか臨仙閣とかいけばいいのになぜか街のはずれにあるお寺の会場へ。本堂の大きな引き戸を遠慮がちに開けると、ああ、いるわ。ほんとにやってる。
結構立派な本堂で、天井ももちろんものすげー高いしものすげー寒いんですよ。ストーブとかそりゃ置いてるけどなんの意味もない。
現在ちょうど4人パーティが揃いきってるところで、しばらくはお二人でお願いすることになると思いますがよろしいですか、とスタッフが妙に慇懃かつ申し訳なさそうに言うが、まあこっちはちょっと冷やかしにきただけだし少しやったら帰るつもりだったので「あ、いっすよ」と安請け合いする。
で、16番テーブル。無線LANの混乱を防ぐため、集会浴場(ゲーム内のほう)の番号を16に設定してプレイしてねということだ。
しかし異様に寒い。手が悴んで操作がおぼつかないほどだ。軽い後悔と共に視線をなんとなく上に向けるとそれはまぎれもなく寺の本堂。うーん。良いのか悪いのか。
10分ほど二人で遊んでいると、けんたろーが視線をふいに入り口のほうへ向けた。ゲームはちょうどアグナコトル亜種を罠にかけて無事終了といった状態だ。
「お、」
「ん?」
「二人、来るみたいですよ」
「そうかそうか」


ひと息置いて、
「ゴスが」
「!?」
見れば昨日のゴスがいる。「よろしくおねがいしま〜す」ってオイ待て。いや待ってください。なにこの引きの強さ。いや強いのか?
集会浴場に現れた彼女たちのキャラを見ると、黒ゴスがHR6、白ゴスが5だ。白もあとは緊急クエを終わらせれば6にあがるという。やってやろうじゃないのジンオウガ2匹。
で、ちょっと白のギルドカードを見たところ、MHP2Gからのデータ引き継ぎはなし、双剣使用回数200弱、他武器はすべて0・・・あんたカッコイイよ・・・
「えーとわたし双剣しかつかったことなくってえー」にはさすがに嫌な予感をおぼえるガンサー(褐色)であった。
が、いざやってみれば被弾こそ多いものの他の3人で充分フォローできる腕前であり、難なくクリア。会話の内容も至って常識的なお嬢さんがただったので安堵。いやちょっとがっかりか。

そのまま30分ほど遊んで、集会所自体が昼休みに入るというのでそれにあわせて辞去。いちおう仏さんに会釈してから出た。

寺山のふもとに安置されているラージャン(激昂)。でかい。


宿へ戻ってみると、昼休みなのか人気がなく、呼びかけても反応がない。しょうがないから玄関に置いてあった我々の荷物を取り、識別用につけてあったタグにお礼をしたため、バス停へ向かうついでにふらりふらりとイベント会場方面へ。
途中の土産物にこのような張り紙が。

猿?ほんとに? まさかねえははは。とかいってそこから10mほど歩いた先に本当にいやがった。ドドブランゴニホンザルが二匹。だいぶ人慣れしているようで、観光客から何かもらったりしてる間もきわめてジェントルな態度を崩さぬままだ。


さらにバス停方面へ進むと、臨仙閣という建物がある。昭和初期に旅館として建てられたものだが、現在は老朽化のため一般の立ち入りが制限されている。


のを、ユクモ村風味にして集会所として公開しちゃってる。時間によっては地下にある温泉も開放してるとか。スゲーなあ。
で、この入り口にある垂れ幕と看板、ユクモ文字で「臨仙閣」ってわけだ。漢字がベースで、旁や偏が逆転したり鏡像になったりする。この文字好きだわ。
集会所冷やかせば良かったんだけど、バスの時間もあるので泣く泣く諦めた。ゲーム内の集会浴場そっくりのしつらえになっていたとかで、惜しいことをした。



バスが来るまでの10分ほど、イベント会場で売っているチャイなど飲みながらぼけーっと待つ。けっこう寒かったんで助かりました。
この写真、最初に撮っておくべきだったなあ。


湯田中駅ではちょうど特急が入線したところだった。行きと同じ、ラッピングされたHiSE。行きに撮った写真は少し光量が足りてなかったかも、と思って先頭車輌を撮り直そうとしてホーム先端にまわってみると、座席に巨大なアイルーが座っていた。何事かと思ってよく見れば、通路側の隣席にデブなおっさんがすわってる。

「アイルーに連れられて帰るんですかね」
どこへだ。


ゆけむり号ではほとんど寝て過ごし、長野駅着。善光寺にでも行きますかとか話はしたけどめんどくさいので結局行かず、駅前の蕎麦屋で軽く呑みつつ腹ごしらえ。
「おしぼりそば」なるものがメニューにあり、よくよく見れば大根の絞り汁に信州味噌を溶いて食すとある。面白そうなので頼むが、本当に「大根の汁」と「味噌」だけであり、出汁も返しも入っていないのだ。ちょっと「どうなのこれ」って思ったけどまあ食えないほどじゃない。そばもそこそこちゃんとしてたからまあいいや。

新幹線の切符を買い、時間まで少しコーヒーでも飲もうかという話にもなったが、正味15分ほどしかないのが微妙なところだ。
まあでも一服さしてくれってんでコーヒーショップに入ろうとしたところ、


「あ、ぼくはおやきをかってきます」
ああ・・・気に入ったのね・・・。


けんたろーがおやきを買いに走っている間、カウンターに並び持ち帰りカップでコーヒーを作ってもらう。
で、席に着いたら10分ぐらいしか残ってなかった。さくっと一本吸って、コーヒーも半分くらいのんで、カップを手に改札をくぐる。
新幹線は自由席にしちゃったんだが、微妙に乗車率が高く、空席がなかなかみつからず焦った。
それでもなんとか座れて、発車もしたことだしじゃあ狩りますかってところでけんたろーがコーヒーを床にぶちまける。大きな被害はなかったので、ポケットティッシュ総動員で床を拭いて問題なし。問題ありません。あとはもう落ち着いたもんで、ビール飲みながらギギネブラいじめたり。


「いやしかし」
「うん」
「我々の引きは強いですな」
「ぎゃははははそれかwww」


東京駅でけんたろーと別れ、おれは八重洲地下街はせがわ酒店へ。
前からちょっと欲しかった、スコッチ用のテイスティンググラスを購入。たったの750円で買えるとは思わなかったぜ。リーデルのとかもうすごい値段でさあねえちょっと聞いてくださいよあなたほんと



で、帰ってきました。おつかれさま。
渋温泉、モンハン抜きにしても良い所だった。ああいう温泉、またいってみたいなー。
楽しかったよ。